大きな顔の猫

横浜の大きな穴

砂と土の斜面

 

わたしはそこから帰る

逆さまのカタツムリの殻のような穴

横浜の大地溝帯

 

猫の顔

からだの大きな

頭の大きいネコ

送電線のステップ

緩衝地帯への帰還

海の詩(うた)

宇宙の沼

 

街のミニチュア

わたしはそこにいた

金を払ってか払わないでか

カウンター上の考察と

赤い明かり荷物置きがあり

外なのか中なのか不自然な曲線のカウンター

カジノ的な酒場的なテーマパーク

横から見ているわたしと席に座っているわたしと抜け出して帰ろうとする3人のわたしが同時にいる

わたしの味方なのそれとも

巨大娯楽施設

ここを出てわたしは歩き始め帰らねば

乗る板鉄骨を組んだだけの重みのある砂と坂と重力とその砂の沈みこみの感覚

そこから重い板を持って登る砂に足が沈む

 

右斜め上30センチの猫の頭は恐怖の対象で

真左前後の左斜め下3メートルの茶トラの猫はわたしを慮る一対一の存在として見る眼をしていた ヒトヨリヒトナヒトデハナイモノタチトノツナガリ