「10才年上の自分が過去へタイムスリップして今の自分を見にきた」というお話

…そう思うと虚構世界や物語がなぜあるのかがわかる。話してくれた人はその物語に励まされた。

その時に「ああ俺はあの時から全く変わらずに楽しく生きてる。でも今の俺とは全然違う。全てが違う。」と相変わらず感じていたい。

そもそも物語が無くてもいい世界なのであるし、人間であるが故に我々は物語を欲している。宮台もノモスとピュシスと言い、映画評や漫画評をする。そして本を読む。

 

よく考えていた。「気がつくと今までの俺と180度違う人間になっている。以前は軽蔑すらしていた人と同じに人間になっている。その時その人にはその人たちの道理があり歴史があったのだ。だから俺は今周りにいる人をバカにはすまい。」よくそう考えていた。そして神様がいた当時は、「どうせいつも俺の負けなんでしょ」と不貞腐れて神様に話しかけてた。

最近お父さんを亡くされたIさんが「お母さんに会いに行かないと」と言った。「三重県でしたっけ」と俺。「いや千葉。お母ちゃんが大好きでさぁ。」と言ってた。俺はどうなんだ。きっと好きなんだろうなぁ。お父ちゃんは?「いつまでたっても浅いなぁ」と思っていた。兄弟は?おばあちゃんおじいちゃんお父さんお母さんについて考えた。今生きているのか死んでいるのか。話を聞きたいのか知りたい事があるのか。いない事が寂しいのか。いなくて話が聞けないのが悲しいのか。知りたかった事があるのか。そもそも話を聞いて納得できるのか。そんな事あるのか。そんなにも喪失感を感じるのか。良くも悪くも強く来たから、未だにその過去のことに今もあなたは引きずられているのか。おっと失敬。それは俺自身の考え。

お父ちゃんと囲碁を打った。俺は「父親との関係が入り組んでいる人と繋がる事が多い」と言った。そしたら、「そういえばそうだなぁ。だって母さんはお義父さんのことが大嫌いで家を出たんだから。お父さんがお母さんの妹と再婚したんだから。」その事は知ってたけど「あっそうか」って思った。「お前のお母さんは天涯孤独な人なんだ。」と父が言ってたのを思い出した。母がわれわれのおばあちゃんをいつまでも「しげちゃん」と呼んでいたのを思い出した。母は18で家を出て、23で父と結婚して俺が産まれたのだ。周りからは「もしかして出来ちゃったじゃないか」と言われて。「あんたは橋の下から拾われたのよ」「あんたはケツの穴から産まれたのよ。だからあなたは臭いのよ」と母が冗談めかして言っていたのを思い出した

「未亡人になりたい。敢えて病弱の人と結婚してその人を看取りたい。」という人がいた。元奥さんは最初その人と仲が悪かったが、後で一緒に温泉に行ったりするようになった。その人から「あなたの奥さんは初めはとんでもないやつだと思ったが、ガッツがあった。初めの印象と変わった。あのこをよろしく。」と言われた。あっ俺は「結婚して離婚したい」と周りに言っていた。気づくとその通りになってた。よかったのか悪かったのか…良くも悪くもない。でも俺はバカだなぁと思った。

「あなたには信仰がない」とF神父は私に言った。それでわたしはフィリピンへ行かなくなった。ずっとその意味を知りたかったが、今は大いにその答えがわかる。でも、そう言った時のF神父の考えをわたしは聞きたかった。F神父はもういない。

ドメニコサビオの15才を越え、イエスキリストの33才を越えた。彼女は年齢や誕生日の話をしない。その話は家族の話をする時にする。鬱であった母、傍若無惨な父、自死した兄、鬱である弟。そしてカートコバーンの話を交えて言う。軽々しい共感でわたしの感情を侵すな!と。

分かり合えないしわかることなどないし、そうだその通りだと思う。わかる必要もない。でも知りたいと思う。彼女の口から彼女自身の言葉を聞きたい。

 

結婚式の時に「自分の事を愛する事ができてはじめて相手のことを愛する事ができる」とF神父は言った。妻と離婚して家族と離れてその意味が少しわかった。

元奥さんのお義父さんは「宇宙人みたいな人」と言われていた。元奥さんのおじいちゃんは2度元奥さんの家から逃げ出し、お義父さんの妹の所へ行って行き来して両方に土地と家を残して亡くなった。お義父さんとお義父さんの妹は裁判までやってやり合ってた。

プルードンは『自由』を『友愛』よりも優先させた」あっ 俺も極めて社会的な事考えてる笑 だから本読んでたんだ。俺も社会と繋がろうとはしてたんだと思った。最近本を読んでない。そういえば哲学談義や社会学鼎談のyoutubeを酒飲んでタバコ吸いながら散歩して聞いてた

俺は一人でアニメやドラマの一気見をしてエロ動画を見てティッシュとインスタント食品のゴミの山に囲まれて寝起きしている。やっぱ俺ってインドア派だなぁと思った笑

職場へ行けば子供たちという師匠達が沢山いて俺にその存在で全てを投げかけてくれる。俺という存在のちっぽけさをいつも思い知らせてくれる。唾もよだれもチンコ触った手で髪の毛引っ張られシャツに手を入れられるのも何でもごされ。もう早くこんなこともやめちゃわないとなぁ笑彼等に失礼だ

職場の近くは自然に溢れている 毎朝散歩をする 珍しい鳥が目の前に現れる 去年は職場の地面で今年は職場のベランダでキビタキの死骸を見つけた 夕陽が綺麗だった ピークが二つある山が向こうに見える 今まさに枝から離れて落ちてくる葉を見てやろうと葉が落ち葉になる瞬間を捉えてやろうと木々の梢や枝先ばかり見ながら歩いている まだその瞬間に巡り会えていない いつもそんな偶然に巡り合いたいと 思っている ただ生きているものたちとただそこにある石や草や土や花と私が繋がったという瞬間を求めている ちっぽけなわたしの独りよがりなのかも知れないがそんな手前勝手な偶然にもっともっと出会いたい

夜の高台にある公園へ行った 円形劇場のようになっているベンチしかない木々に囲まれた場所に出る 別のピークでライトをつけて夜景を見ている人たちを避けて わたしは今いる場所を一人でぐるぐる歩いたりステップを踏んだり柵に腰掛けたりしていた ふとサークルの中心で見上げると 木々の梢が集まる中心にポッカリと穴が空いていてそこに月が見えた そんな瞬間に会いたい出会いたい 何でもいいんだ 

十分だった今まではそれで だが あなたと出会い触れ合ってしまってからは 一人でいる事がどうにもこうにもできなくなってしまっている これまであたりまえであった事ができなくなってしまった 出会えた事に感謝 いま一人であることに感謝 出会えなかった事より出会えた事が嬉しい 出会えなかったらとんだ思い上がり野郎になっていた

乗っている電車が川の上を通る橋を過ぎる 背面でこの川へ落ちてゆきたい 隣の人のリュックが倒れてきて私の肘に当たった私は隣の女性を意識する ピュシスを感じながら職場へ向かうそんな時間が好きだ