失踪の誘惑

そんなのしないよ

だっていつだって帰る場所があるじゃないか

中途半端な俺にはできない

何処にも逃げ場なんてありはしない

それはもうわかってる

答えなんてありはしない

見つかるなんてこともない

身体の液体が流れ出た

水中で下半身が水浸しになった

目と鼻と口から水分が流れ出した

なら

死ぬように生きないなんて

どうすればいいの

あなたが暖めてくれるとでもいうの

いつもだれもいないじゃないか

ただ生き延びるだけ

 

…って、とうの昔に決めていたのに

何で連れ戻そうとするの

なぜ感謝を強要するの

もう

なら、「人間の気晴らし」って何?

暇も退屈も気晴らしも無い

表現も歌も踊りも詩もありゃぁしない

花も鳥も月も風も慰めてくれやしない

死ぬことも生きることも

死ぬように生きることも

生きるように死ぬことも

できやしない

死ぬように死んで

生きるように生きる

これって何なの

ただのぬるま湯

風呂に入って寝よう