何にも要らないといって

何かに頼り

誰かの何かのせいにしている

誰かに頼ろうとしている

どんな思想も

どんな信条も

どんな派閥も要らない

何にもいらない

ただ寂しいだけ

だから

この身体に注力する

ただそれだけをする

ちょっと寄り道しながら

それでもいつでもいつの時も

まだまだ足りない

何にも足りやしない

この地球に

この宇宙に

俺を満たすものなんてあるのか

ありゃしない

無いなら無いなりに

寝て起きて

身体を生きよう

それだけだ

それだけだった

それだけがあり

それだけが消えていくだけじゃないか

それを今は自分で消そうとはしないだけじゃないか

でもまあ身体に乗るだけだ

乗りこなしてやる

己の中に敵がいる

そうなのかも知れない

ただ一つ言える

俺はまだ裸一貫じゃない

俺は俺のことをまだ掘り尽くしていない

まだ寒がっている

まだ暑がっている

まだ寂しがっている

まだ悲しみを誤魔化している

誰かのあなたのわたし自身のせいにしている

自惚れている

ふざけるなふざけるな

気持ちよがっているだけじゃないか

あるようにあることすらできていない

俺は俺をまだ誰かに認めてもらおうとしている

俺は俺の身体をまだ信じきれていない

誰かの何かになろうとしている

誰かの助けになろうとしている

バカじゃないのか

誰かに知ってもらおうかだなんて

何かになってやろうかだなんて

最初からわかっているんだ

俺の身体は俺にしかならない

俺は俺だということをなぜ受け入れないんだ

底の底の奥深くにあるなんてのは

思い込みなんだ

何にもしていない

プラマイゼロにしているだけ

なんてつまらないやつなんだ

俺なんか簡単に乗り越えてみろや