サーハ

あなたのことを

あの場にいる人たちのことを

誰よりも何よりも

厳しい目で優しい目で冷徹な目で

見ていたよ

だからあの場で皆まで言えなかった

だけどそれでいいんだその必要もない

だってその人が自分自身で進んでいくしかないのだから

きっと

わたしは何かに抗っている

世界にか社会にか他者か

いや

たぶんわたしは自分自身に抗っている

わたし自身にもわたしの底が見えない

底なんて無いのだろう

あなたはパンドラの箱を開け

退路を絶って

次のパンドラの箱を開けに向かう覚悟を決めた

○くんの元へはもう戻らないとあなたは言った。

たぶん○さんを看取るまで

あなたはそばにいるのだろう

あなたには社会に対する理想がある

あなたはそれに向かって生活もそう形作っている

あなたの態度だ

都会の生活の中で

 

あなたは強引に物語を作ろうとしている

わたしは気づいたら物語ができていたと後から認識する

 

わたしはどこで立ち止まっているのだろう

ふと考えた

散歩の途中で立ち止まっている

そうすると

風の音が足音が頭に流れる音が止んで

そこの場が見え鳥の声や木々のざわめきが聞こえてくる

時々そこにあるはずのない音を聞いたりする

少しビックリする

日々おかしな事が起こる

奇跡と言ってもいいような事も起こる

最近それが多いと感じる

いつもわたしは気が狂う寸前である

でも寸前で止まって進んでいる

あなたはすごいと言われる

これってすごいのだろう

でも普通なんだ

わたしの中に在るあなたがSさんがHさんがPさんがわたしの中のあらゆる人たちが総動員で

わたしの身体をどこかへ向かって

動かしている

最近うまく歩く事ができない

できない事があることはいいことだ

わたしはあなたと離れたくないのに

逆のことをしている

僕らは自由じゃない

まずこの身体に縛られている

自由になりたいという

わたしになりたいという

自分に

わたしは抗おうとしている